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貴方の貴女と花束と

×(カケル)シリーズ第十九弾

植村 香帆

2021/10/16
筆者:中居
文字数 555 写真 6 枚

あなたがその場所に立ち
見つめた景色は
ファインダー越しに私に届く

切ないと思う訳ではないのに
寂しいと思う訳でもないのに
あなたに逢いたい想いが溢れていく
胸の奥から溢れていく

あなたの言葉が届かなくなってから
それからどれくらいの時間を過ごしてきたのだろう
ひとつひとつ遡って言葉を辿れば
その時の優しさに辿りつくけど
気付かなかったこともたくさんあったのだろうね

時の流れを巻き戻すように
重ねた手と手が結ばれる
時の重みを身に纏い
深く深く沈んでいけば
見えるのはただひとつのシルエット

この胸に宿る想いが季節を待つ硬い蕾になっても
この胸に想いがある限り、いつか花開く時が来るよね
その季節を通り過ぎ花開く時を逃しても
私の胸にある限り必ず花開く

笑ってとあなたが言う
笑っている時が君らしいとあなたが言う
二人少しぬるくなったコーヒーを手にして
時間の流れに漂っていた

「笑って」

あなたはまた言う

「笑顔が好きなんだ」

わたしも
あなたの笑顔が好きだよ

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