すぐ手の届く処にある大切な何かを求めて…
06-6360-6890
常盤 弥生 小説グラビアイメージ
Short Story

いつもと違う顔

華やかに装う日々のなかで、ふと手に取った一着のパーカー。
誰かに見せるためではない、少しだけ素の自分に近い顔。
静かな時間のなかで揺れる心を、やわらかく描いた短編です。

Introduction
“ちゃんとした自分”を作るために選んできた服や表情。
けれど、いつもと違う装いに袖を通した瞬間、少しだけ肩の力が抜けていく。
本当と嘘のあわいで揺れながらも、自分を許していく一人の女性の物語。

飾らない時間のなかでだけ、見える顔がある。
それはきっと、嘘でも本当でもなく、今の私そのもの。

Novel

「常盤 弥生×着ていなかったパーカー」

Chapter 01 / 静かなはじまり

電車の窓に映る自分の顔を、なんとなく見つめていた。
今日もちゃんと笑えているか、少しだけ気になって。

誰かに求められることは、嫌いじゃない。
むしろ、その瞬間だけは自分が“ちゃんと必要とされている”気がして、少しだけ楽になる。

でも、終わったあとに残る静けさは、いつも少しだけ重たい。

――これでいいのかな。

答えは出ないまま、また同じような一日が続いていく。

最初に会ったとき、その人はあまり喋らなかった。
無理に距離を詰めてくるわけでもなく、ただ静かにそこにいるだけ。

少し不思議だった。

気を遣わせないように話題を探すのは、いつもなら自分の役目なのに。
その日はなぜか、言葉が少なくても空気が崩れなかった。

帰り際、小さく「ありがとう」と言われた声が、妙に残った。

二度目も、三度目も、同じように静かな時間だった。

でも、その静けさは“気まずい”ものじゃなくて、
ただ隣にいることを許されているような、不思議な安心感だった。

Chapter 02 / 変わるきっかけ

ある日ぽつりと、その人が言った。

「…ちゃんと、頑張ってる人の顔してるよ」

驚いて顔を上げると、目が合って、すぐ逸らされた。

その言葉が、思っていたよりも深く刺さった。

帰りの車の中で、ふとドライバーさんに聞いてみた。

「人って、簡単に変われると思いますか?」

少し間があってから、ミラー越しに優しく笑われる。

「見た目を変えるだけでも、気分はだいぶ変わりますよ。
服装とか、過ごし方とか。意外とそれだけで“別の自分”になれるもんです」

別の自分。

その言葉が、頭の中でゆっくり広がっていった。

次の日、クローゼットを開けたまま、しばらく動けなかった。

いつもの華やかな服。
“ちゃんとした自分”を作るための、大切な鎧。

その奥に、ほとんど着ていないパーカーがあった。

理由もなく、そっと手を伸ばす。

袖を通した瞬間、少しだけ肩の力が抜けた。

Chapter 03 / いつもと少し違う私

鏡に映る自分は、いつもより少しだけ素っ気なくて、
でも、どこか静かで、澄んでいるように見えた。

飾っていないのに、綺麗だと思った。

その人と過ごす時間も、どこか変わった気がした。

無理に何かを演じなくても、
言葉を重ねなくても、ちゃんとそこにいられる。

静かな時間が、こんなにも心地いいなんて、知らなかった。

それでも、明日になればまた違う顔をする。

少し濃いめのメイクをして、
柔らかい言葉を選んで、
本当と嘘を、うまく混ぜながら。

きっと、それも私だ。

どれが本当で、どれが嘘なのか、もうよくわからないけれど。

それでもいいと思えるくらいには、
少しだけ、自分のことを許せるようになってきた。

だから明日も、あなたに会いに行く。

いつもと少しだけ違う顔で。

Profile & Reservation

常盤 弥生さんの雰囲気を、もっと近くで。

作品の中で描かれた、静かでやわらかな時間。
写真だけでは伝わりきらない魅力を、プロフィールページでもぜひご確認ください。

※ご予約・お問い合わせの際は、公式ページ内の最新情報をご確認ください。
※当倶楽部の割引サービスは受付時の申告制となりますのでご注意下さいませ。
Reservation

ご予約・お問い合わせ

TEL.お電話でご予約

06-6360-6890

13:00~1:00 年中無休(年末年始を除く)

WEB.オンライン予約

2週間前からご予約いただけます。
当日のご予約はお電話で。

LINE.LINE予約

上記LINEアイコンから友だち追加で、
LINEでご予約、お問い合わせいただけます。

SNSでも最新情報配信中!
クラブアイリスの X