彩永 愛乃×モダンアート
2023.10.19
モダンアート
彩永 愛乃
筆者:彩永 愛乃
文字数 823 写真 9 枚
「絵画を鑑賞するのが好きです。」
あるときぽろっとこぼした私の言葉がきっかけで、
今回は絵を描かせていただくことになりました。
用意されたのは雰囲気たっぷりのアトリエと真っ白なキャンバス。
まるで自分が芸術家になったような気持ちがして胸が高鳴ります。
本格的に絵を描いたことがないため、
何を描いてよいのか、どう描いてよいのか・・・
真っ白いキャンバスを眺め続けていると、
これまでに出会った名画が頭に浮かびます。
マネの『フォリー・ベルジェールのバー』に描かれた華やかなパリの夜。
ハマスホイの胸に染みる白と黒を基調にした色彩の室内画。
どれも私の人生に豊かな彩りをもたらしてくれました。
ふと、頭の中に一杯のカクテルが浮かびました。
「コスモポリタン」
ウォッカにコアントロー、それからクランベリーとライムのジュースを加えた、
品のある甘みとピンク色が何とも華やかで美しい一杯です。
まずはコスポリタンをイメージして明るいピンクをキャンバスにのせます。
昔好きだったアメリカのテレビドラマで、
主人公がバーに行くたびに頼んでいたのがコスモポリタン。
まだお酒が飲める年齢でなかった私にはそれが憧れになっていたのかも。
初めて行ったバーでコスモポリタンを飲んだときは
ちょっぴり大人になったような、くすぐったい気持ちがしました。
私にとっては思い出のカクテルなのです。
ピンクでコスモポリタンの上品な甘さ、
オレンジで爽やかな酸味をあらわして・・・
初めてカクテルを飲んだあの時の
ときめく気持ちはゴールドの絵の具にのせ、
大人になった今、ふとしたときに感じる孤独はダークな紫で描いてみました。
コスモポリタンに憧れていたあの頃にはもう戻れないかな?
もっと胸が高鳴るような楽しみをたくさん拾いながら日々を過ごしたい。
そんな思いをまっすぐで直線的な筆づかいにのせて、
「彩永愛乃」に「彩」の文字がふくまれているように、
あなたと共に過ごす時間が彩りいっぱいになるような存在でありたいなと思います。