桂 美冬×お台場
(×シリーズ第10回)

都会の海に浮かぶ蛍は俗界を離れたコンシェルジュ

×(カケル)シリーズ第十弾
桂 美冬

2020/9/5
筆者:中居
文字数 1123 写真 6 枚

まだ、日のあるうちに飲む酒は、うまい。
ビルとビルの狭間に見る黄昏時はいつもよりオレンジ色が滲んで見える。

瞬きをした瞬間、いつのまにか終わりを告げられた夏。
ひと夏の恋なんて淡い妄想は現実的な思想に染められ、
結露を帯びた缶ビールを握る手は知らずの内に力んでいた。

お台場、それはペリー艦隊が来航して幕府に開国要求を迫った江戸時代。
これに脅威を感じ、江戸防衛のために海上砲台を建設させた。
その台場に「御」をつけたのは幕府に敬意を払い、御台場と称したことが由来だそうだ。

そんな歴史的事実を感じさせない程にお台場に来た若者たちは、
キラりと輝くイルミネーションや自由の女神像にロマンチックを感じている。
そんな中、一際違う雰囲気の女性が軽やかにハーバーを歩けば、
若者たちは静かになりカップルでさえ視線を預けてしまう。

「桂 美冬」

桂の木は秋に甘い香りを放ち、美しく黄葉する。
その明瞭な芳香は優しく残り、来る冬を美しく演出していくような女性だ。

西日を浴びる横顔とシャンパーニュは絵画のように色彩豊かで、
語らずとも思わず固唾を飲んでしまうほどに見惚れて貴方の時間を独占する。

抽象的な季節を迎えていく中で想像に恋しく人に優しく、
都会の冷たさと彼女の艶麗さは相反してより女性としての輝きを手に入れていくと同時に、
妖精ダフネのように多くの恋をはねつけ、輝けば輝くほどに彼女は孤独を感じていた。

一人の女性として光を浴びる姿は多くの同性から賛美され、
月桂樹の花言葉は栄光と勝利、そんな言葉を体現している。
その傍ら、孤独と背中合わせの彼女は一人苦悩し白と黒のオセロのように、
はたまた表と裏のコインのようにもう一人の彼女とこの季節を過ごしている。

外国の脅威に備えた昔という過去と外国の文化に喜悦する今という現在。
そんな常に物事がひっくり返る時代に生まれた現代人。
かく言う私も空間に漂う残り香がマーブルのように交じり合い、
現実と妄想が境界を超えていく。

男性はいつの時代も直線上に過去を置いていく、
振り返るといつも過去の女性が浮かび上がる。
女性はいつの時代も曲線上に過去を置いていく、
常に変化していき振り返った時にはもうその過去は見えない。

洗練された女性はとにかく進化が早い。
今この時にその女性を射止めなければ、
男女交友が激減しているからこそ、良い女性との出会いは刹那的に短い。
その時を永劫にするのは貴方次第。
その優しい掌を誰に向けるのか、それは紳士の生き様なのかもしれません。

瞬きをした瞬間、いつのまにか・・・

 

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