貫地谷 早希×冬 ノ 彩
(×シリーズ第13回)

見渡せば広がる彩の世界

×(カケル)シリーズ第十三弾
貫地谷 早希

2020/12/2
筆者:竹上
文字数:1029 写真:7枚

 

 

またこの季節が来た。
何度も経験しているはずなのに冬は飽きません。

それは”彩”が違うから。

息をしている生物全てが冬という真っ白なキャンパスに、
”彩”を落とすから。
春・夏・秋と比べものにならない程に、

冬は人が彩る季節だと私は思います。

 

 

少し暖色が広がる空間。
纏わりつくように初冬の空気が肌に触れる。

彩られたイルミネーションを見つめる彼女の瞳は、
優しさ、愛情にも似た暖かみを確かに感じさせる。

美しいとは何を指すのだろう。
明確な答えは無いのだろう。

ただ言えるのは今映る彼女の姿は美しい。
少しだけ、もう少しだけ見つめていたいと心が語る。

 

 

色は全部で何色あるか、考えたことはあるでしょうか?
シンプルに答えるならその数は無限と言えるでしょう。
色は人それぞれの感覚で構成されるもの。
ひとり一人違うように、それぞれ色の認識が違うのです。

数え切れないほどの感覚、感情で彩られ表現され、
今、目にしている景色には多くの色と様々な物語が溢れてる。って
考えたらちょっと素敵じゃないですか。

 

 

少し遠くを見つめながらぼーっとする貫地谷さん。

『たまにこうして今日までの事を振り返るのです。
自分の歩んできた足跡を見直すというか。
”自分らしさ”を忘れないためにというか…』

言われてみれば、今日までの事を振り返ることってあまりないかもしれない。
とにかく前に進む事ばかり考えて、自分らしさを失う人の方が多い気がする。
常に今以上の自分を求めて、空回りしてしまうのは良く聞く話だ。

道に迷ったときは立ち止まっていい。
人生の見直しをしてもいい。

常に自分らしさを大切にする貫地谷さんは、
色と彩が織りなす芸術作品のように美しく瞳におさまった。

 

 

少し人通りが少ない場所でホッと一息。

寒さを目に映す湯気が静かに立ち上る。
ふーっ… ふーっ… 愛らしくカフェラテの熱を冷しそっと一口。

なぜだろう。 少し切なく感じてしまう。

冬がそうさせているのか、それとも彼女の雰囲気なのか。
そんな感情が珈琲の苦味のように心をすっと通り抜けた。

 

 

雪色の生地に指先をかけ、ポツポツと時間が過ぎる。
緩やかに今を溶かして、先の器に滴る。

想いを積もらせ、雪だるまみたいに形に出来たら楽だろうな。

考えれば考えるほど絡まる気持ち。
どうすれば解けるかは分からないけど、とりあえず暖まろう。

白のマフラーに口を隠す。

 

 

「バイバイ」は聞きたくない。
今日限りに感じてしまうから。

今だけではなく、明日も、明後日も。

約束、次の景色に指切りしよう。

「またね」って、手を振りたい。

ほら、温かい彩が広がるでしょう。

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