彩永 愛乃×私が本を読む理由
(×シリーズ第3回)

 

×(カケル)シリーズ第三弾

彩永 愛乃

2020/5/20
筆者:彩永 愛乃
文字数 1306 写真 5 枚

 

あなた様へ。

強まる日差しに夏への移ろいを感じる季節となりましたがいかがお過ごしでしょうか?

私は自宅で一人の時間を楽しむことが多くなり、本を読むことにかなりの時間を費やしています。
つい今しがたもう何度読んだかしれない谷崎潤一郎の「痴人の愛」を読み終えたところです。

さて、この度は「彩永愛乃×私が本を読む理由」というテーマをいただきましたので、少し気恥ずかしくはありますが思い切って筆を取りました。
彩永愛乃という人間のエッセンスを少しでもあなたに知っていただけたらそれはそれは嬉しいです。

そもそも、人間という生き物は、誰かに何かを伝えるにしても、頭の中で何かを思考するにしても必ず”言葉”というものが必要になってきますよね。

そんな”言葉”という檻のなかでしか生きられないからこそ、その檻を拡げるために本を読むのではないかと思うのです。

本の中にあるたくさんの言葉たちが、思考をめぐらすときの材料、手助けとなってくれますし、時には私の人生観そのものに影響をもたらすこともあるのです。

私がまだ高校生のころ、オシャレやメイクに夢中だった時期があり、美しくあるためには外見を飾り立てることが大事だと考えていたことがあったんです。

そんなとき、何気なく読んでいた本の中にパッと目の前が開けるような言葉が記されていました。

“自分に似合う、自分を引き立てる
セーターや口紅を選ぶように、
ことばも選んでみたらどうだろう。”

この一行に私は何というか胸をぎゅっとつかまれたような思いがしたんです。
そうか、言葉も自分を飾るものなのかとハッとさせられたんですね。
美しさを手に入れるための違うアプローチを見つけた気がして胸が高鳴りました。

言葉のオシャレは綺麗な服のように遠目で人を惹きつけはしないけれど、無料で手に入る最高アクセサリーなのだと気づいたんです。
流行もなく、一生使えるお得な「品」なのだと。

その時から私のオシャレの定義の中には”言葉”が仲間入りしました。
お気に入りのワンピースがあるように、とっておきのハイヒールがあるように、私に似合う言葉を使いたいと思うようになり、一層本を読むことが好きになりましたね。

そういう風にしてこれまで本の中で出会ってきた、美しい言葉、優しい言葉、心震える言葉、そういうものがお守りのように私の心の中に存在しています。

生きているとしばしば悲しい気持ちになるときや、世の中にそっぽを向きたくなるときもあるのですが、そんなとき私の中にある数々の言葉たちがそっと励ましてくれるような気がするのです。

きっとこれからも、私は私らしくいられるための言葉を手に入れるために本の虜でいつづけるでしょう。

そして、いつの日か私のお守りのような言葉たちを誰かにお裾分けできたらいいなと考えたりもします。

私が本を読む理由、何となく伝わったら嬉しいです。
それでは、時節柄くれぐれもご自愛くださいませ。
あなた様にお会いできる日を心より楽しみにしております。

彩永愛乃

 

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