
ひとり語りの短編風
2025.9.16
「ねえ、ちょっと聞いてよ」
自分の中のもうひとりの私に、そう話しかけながらキッチンでコーヒーを淹れていた。
カップにお湯を注ぐ音、立ちのぼる香り、まだ誰もいないリビング。何でもない朝の一場面だけど、その静けさがやけにドラマチックに感じられた。
「あの時、もう少しゆっくりしてもよかったかもね」
そうつぶやいて、自分で笑う。誰かに向けた言葉ではないけれど、心の奥がすっと軽くなる瞬間。
お店のことも、日常のことも、全部がこの小さな“ひとり語り”の中で整理されていく。
完璧じゃなくても、今日が物語の一ページになるなら、それでいい。
カップを置いて深呼吸。
「さ、今日もやってみようか」
本日もどうぞよろしくお願いいたします