まっすぐに

まっすぐに

香咲 彩愛

2025.8.2

夕方、ほんの少しだけ早くお仕事が終わって、帰り道をゆっくり歩いてみました。
空が淡いオレンジ色に染まっていて、遠くで蝉の声がかすかに聞こえてくる。
この時期ならではの、なんとも言えない夏の終わりの空気感。

ふと見上げると、ビルの隙間から月が顔を出していて、まだ明るい空の中にぽつんと浮かんでいる様子が、なんだか心に残りました。

忙しい日々のなかで、気づかないふりをしていた気持ちや、置き去りにしていた小さな疲れが、こういう時間になると少しずつ浮かび上がってくるような気がします。

誰かと過ごす時間も好きだけど、こうして「自分だけの時間」に包まれることも、私にはとても大事みたいです。
静かな帰り道が、それをそっと教えてくれました。

また明日も、心がまっすぐでいられますように。