ビニール傘と、ちょっとした賭け

ビニール傘と、ちょっとした賭け

香咲 彩愛

2025.8.6

朝、天気予報は“曇りのち晴れ”。でもなんとなく信じきれず、ビニール傘を一本持って出ました。結果、降らずに済んだわけですが——私はこの「念のため」が、けっこう好きなんです。

だって、空が曇ってるときに傘を持たないって、ちょっとした賭けじゃないですか。濡れたら負け、濡れなければ勝ち。でも私にとっては、濡れずにすんだ“ただの曇り空”を「ほらね」とにんまりするのが、ちょっとした楽しみ。

小さな判断、小さな予感。それがうまくいくと、不思議と一日までも整って見えるんですよね。

たとえ空振りでも、「自分で決めた」ってことに意味がある。そんなふうに思えた朝でした。