お盆・大切な行事、松島 梨沙

お盆・大切な行事、松島 梨沙

2025.8.18

ご無沙汰しております。
スタッフの松島です。

お盆といえば、日本の夏を象徴する大切な行事のひとつです。
ご先祖さまを迎え、感謝の気持ちを伝える期間として、
地域ごとにさまざまな風習が残っています。
一般的には8月13日から16日までの4日間を「お盆」とし、
初日に迎え火を焚いて先祖の霊をお迎えし、
最終日に送り火を焚いてお見送りする流れです。ただ、
その過ごし方やしきたりは地域によって少しずつ異なり、
土地の文化や歴史が色濃く反映されています。

例えば京都では、最終日の「五山送り火」が有名です。山々に「大」
の字や舟形の火文字を灯し、壮大なスケールで祖霊を送り出す光景は圧巻です。
また東北の青森では、ねぶた祭りの熱気とともにお盆が過ぎていきます。
各地で「盆踊り」が開かれるのもこの時期の特徴で、先祖供養だけでなく、
地域の人々が集まり交流を深める大切な時間となっています。
では、名古屋のお盆はどうでしょうか。名古屋や愛知県では「万灯会」や
「盆供養」が盛んに行われ、寺院の境内に無数の灯籠が並ぶ幻想的な光景が見られます。
中でも八事山興正寺や覚王山日泰寺では、夜になると灯りが境内を包み込み、
多くの参拝客で賑わいます。また、名古屋のお盆は「手筒花火」や「大文字焼き」に似た
「送り火行事」が残っている地域もあり、夏の夜を彩る伝統行事として親しまれています。

さらに名古屋ならではの特徴として、お墓参りの際に「供物」
をたっぷりと用意する文化があります。果物やお菓子、季節の花などをお供えし、
家族で集まって食卓を囲むのも大切な習慣です。親戚が一堂に会することで、
普段は疎遠になりがちなつながりを再確認する機会にもなっています。
都会的なイメージの名古屋ですが、こうしたお盆の過ごし方はとても温かく、
地域の人々に根付いていることが感じられます。

近年では、迎え火や送り火を簡略化する家庭も増えてきましたが、
それでも「ご先祖さまを思い、感謝する」というお盆の本質は変わりません。
名古屋の夏の夜に灯る無数の灯籠や、にぎやかに響く盆踊りの音色は、
昔も今も人々の心をつなぐ大切な風景として残り続けています。

皆様のお盆はいかがお過ごしでしたか。

梨沙。

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