世阿弥(足立梨沙子)

世阿弥(足立梨沙子)

2025.5.1

こんにちは

足立です

先日、写メ日記で

世阿弥の『秘すれば花』についてお話致しましたが

今回はまた別の残した言葉について

『初心忘るべからず』

大変有名な言葉なので

皆さんも一度は聞いた事があるのではないでしょうか?

世阿弥が40代の頃から20年ほどかけて書いた

花鏡かきょう』という本に出てくるフレーズです。

原文は

しかれば、当流に、万能一徳の一句あり

初心忘るべからず。

訳してみるとこうなります。

さて、私達の流派には

すべてのことに通ずる一句がある。

それは、「初心忘るべからず」である。

ここで注意したいのが、世阿弥の言う“初心”とは

「物事をはじめたばかりの謙虚な気持ちや初々しい志」

ということではないのです

「初心忘るべからず」という言葉を

「新鮮さや純粋な気持ちを忘れずにいる事」

と思っている方も多いようですが

ここでいう“初心”とは

「はじめての物事にぶつかる未熟な状態」の事で

簡単に言えば初心者を表します。

初心者の時は、上手に物事ができないので失敗をします

未熟な自分を打破するた

努力や訓練を積み重ねる必要があります。

つまり、

慣れてからも怠慢な姿勢にならずに

未熟な頃を思い出して精進するべきである

と世阿弥は言っているのですね

何か一つの事を長く続けるのは

何よりも大切で大変です

根気もいります、成果も見えにくい

その中で、秀でると

尊敬され、もてはやされ、気を使われ

まるで神様にでもなった様な気になりますが

謙虚さや、さらなる高みに登るために

毎日の訓練を怠らず、

未熟であるのだ。

という事を忘れずにいたいものですね

足立梨沙子

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